J-WAVEで放送中の「STEPONE」のコーナー、気になるニュースの裏側から光を当てる「BEHIND THE SCENE」に、コロナ渦のピンチをチャンスに変えたアイデアを表彰する「NEW NORMAL NEW IDEA AWARD」の住宅部門セレクターとして出演、住宅業界におけるニューノーマルを意識した様々なアイデアやサービスについて解説し、その中から大賞を発表しました。
私がノミネートしたのは3つ。MCのサッシャさんも面白い!と盛り上がってくださいました。というわけで、その3つと「住宅業界のニューノーマル大賞」をご紹介します。
1つめは「手洗いがしやすい家」です。
コロナ禍で、感染症対策のための、「新しい生活習慣」が生まれています。家に帰ったら、丁寧に手を洗ってうがいをする、という習慣ですね。手洗いや、うがいは、衛生的な暮らしをするために、もともと必要なことなんですが、実際のところ、これまではそれほど真剣にはやっていなかった人が多いんじゃないかと思います。
手洗いは、コロナだけでなく、インフルエンザやノロウイルス、食中毒の予防にも有効ですし、今後も、新しい習慣として幅広く根付くと言われています。
それと、1回、清潔な暮らしを体験すると なかなか戻れないところってありますよね。お尻を洗うのが当たり前の暮らしになると、紙で拭く暮らしに戻りにくいみたいな感じで、手洗いも、しないと気になるようになっていくのではと思います。
そこで注目されているのが、帰宅時にすぐに手が洗える間取りです。 例えば、玄関ホールに小さな手洗い場を作るとか、部屋に入る前に洗面所がある間取りにするとか。
最近では、家の中を、病院のように、動線を汚染区域と安全区域に分けて、玄関入って手を洗うまでは汚染区域で、手を洗ってから先は安全区域になるといったような間取りも、ハウスメーカーから出ています。
玄関に、手洗い場がある風景は、最初はちょっと違和感があるかもしれませんが、今後は当たり前になっていくかもしれませんね。
2つめは「家事の負担を減らす家」です。
これは私も色々なところで書いたり話したりしてるんですが、家にいる時間が長いといろいろと大変なことが増えます。人が増えると家が汚れやすくなって掃除が大変になりますし、家で食事をする機会が増えれば料理と後片付けの手間が増えます。
玄関にマスク置き場を作るなんてアイデアも生まれています。子どもたちにマスクを持たせたり、自分もつい持ち忘れたりした時なども、玄関にマスクが置いてあれば、ひとつ手間が減りますよね。
おうち時間が増えてもラクに快適に暮らせる家、更に家事がラクにできる家は今後ますます注目されていくことと思います。
そして3つめ、NEW NORMAL NEW IDEA AWARD「住宅部門」の大賞は!
「個人の居場所がある家」です。
これは前回のブログにも書いたんですが、家で家族と一緒にいる時間が増えると、たまには1人になりたいと思うこともありますよね。
⇒おうち時間が増えると1人になりたくなる?家族の絆から個が充実した時間を過ごせる住まいへ - 誤解だらけのリフォーム/一級建築士事務所 OfficeYuuのYuuこと尾間紫です
それとテレワークのスペースをどう確保するか?という問題があって、家族がいる食卓で仕事をするのは、やはりなかなか難しい。
そこで、みんなと一緒にいる時間も大切だけれど、ひとりになれる場所も作る、これからの暮らしでは個人の居場所があることが重要になってくると思います。
最近では、部屋を作らなくても、置くだけで落ち着いた個のスペースが作れる書斎家具などもあります。大きさはだいたい1m四方くらいで、目線の高さくらいの壁で3方が囲まれていて、中にデスクがセットされています。そのような家具が、いま建材メーカーや家具屋さんから数多く販売され始めていて、分譲マンションでもオプションとして加えられたりしています。
みんな一緒の暮らしから、個の充実へ。個が充実してこそ、みんなと一緒にいる時間が幸せに感じられる。在宅時間が長くなる、テレワークが増えるといったこの時代だからこそ生まれたニューノーマルということで、大賞に選びました。
これまで家は寝るだけと思っていた方も、家にいる時間が長くなると、家の中の環境の良し悪しが、毎日の暮らしの幸せ度を大きく左右します。どんな家なら毎日を快適に、そして楽しく過ごせるか?改めて考えてみてくださいね。