「家は寝るだけと考える時代があった」
昨年、SNSにそんな投稿をしたところ、たくさんの方が賛同してくれました。本当にそんな時代があったのですよね。
当時よく言われたのが、300万円の臨時収入があったら何に使うかというもので、新車の購入、海外旅行などを挙げる人が多かった時代です。
その後バブルは弾け、人々の視線は外から内へと向かうようになりました。中でも氷河期世代と呼ばれる団塊ジュニア世代は家庭回帰の意識が強く、家づくりにもそれがよく表れています。この時代の家づくりで目立つのが、家族の絆を強く意識した間取りです。
そしてニューノーマルな今、家族一緒はもちろんですが、ひとりで過ごす時間も大切にする間取りが注目されています。
書き出しは、「今から30年ほど前、家は寝るだけと豪語する人がもてはやされる時代があった。筆者が住宅業界へ入って間もない頃、「24時間戦えますか」というCMが人気だった1980代後期の話である。」
「コロナ禍を通じて人々の暮らしや意識が変わり、求める家のカタチもまた変化の兆しを見せている。そのファクタとなっているのは在宅時間の長さである。外出を控え、家にいる時間が長くなるだけで、これだけの変化が起きるとは。
そしてそれはコロナ禍という特殊な事態において新たに生まれたことだけでなく、コロナ禍をキッカケにこれまで見逃していたり先送りにしてきたりした問題が顕在化したものも少なくないのである。」